なべこう( @fukujion)です。
とある本を読んでいておもしろいものを見つけました。iPhoneで有名なAppleの誓約書の話です。Appleでは、入社する際に「理由のありなしに関わらずあなたを解雇できます」と書かれた誓約書にサインしなければならないそうです。
自分に問題があってやめされられるのはわかりますが、何の理由もなくやめさせられる、日本でそんなことにサインさせるなんてあり得ないことです。
日本の職業観
そもそも日本で働く場合、もっとも重視されるのはどこで働いているか、どこに所属しているかです。
CMがバンバン放送されている超有名企業に入社すれば「すごい」と言われ、誰も知らない会社で働いていれば「ふーん」と言われます。
職業をたずねるときも「どこで働いているんですか」と聞きます。
シリコンバレーの職業観
Appleなどがあるシリコンバレーでは日本と考え方が違います。向こうでは、どこに属しているかよりも何ができるかということが重要視されます。
職業をたずねるときも、「どこで」よりも「君自身は何をやっている(できる)か」と聞かれます。
イメージとしては、それぞれが個人商店を開いて、企業を転々としている感じです。Appleも、今進めているプロジェクトに必要な人材は集めますが、そのプロジェクトが終了すれば、必要なくなる人もいます。
日本ではよっぽどのことでも無い限り解雇されません。しかしAppleなどではあり得ることなんです。だから、あのような誓約書にサインをしなければなりません。
個人で戦えるように
一部においては、旧来の「どこに属しているか」が重視される価値観も残っています(特に親世代。いわゆる「世間」)。ですが一方で、大企業が倒産寸前だったり、名も知らない小さな会社が驚くべき商品を生み出したり、有名企業がベストというわけではなくなってきています。
世間体を気にして、有名企業に入ることだけを考えて、面接対策を磨きまくって入社したはいいものの、命を削るほど働かされたり、会社そのものがなくなってしまったりすると厳しいです。切り替えられる人ならいいですが、そのまま精神を病んでしまう人も多いでしょう。
だからこそ、大企業であっても小さな会社であっても、「自分は個人商店で、スキルをここ(会社)に提供しているんだ」という意識を持つことが大切です。
そして、本当にそう思えるためにも、これだけはというスキルを1つでも身につけておく必要があります。
1つのことを究める
では、どんなスキルを磨けばよいのでしょうか。
ぼくは、率直に言ってどんなことでもいいと思っています。以前という記事を書きましたが、カメとかキノコとか木材とか、なんでもいいんです。これはもうマニア、オタクの領域です。
ただ、究めなくてはいけません。人から引かれるくらいでないと。そういう意味では、一つのことに夢中になれる集中力や好奇心が必要になるでしょう。
これからの時代は、そういう自分の腕に頼って生きていく働き方が重要になってくるでしょう。
スポーツ選手のような働き方
例えるならプロスポーツ選手。彼・彼女らは自分の実力で食ってます。まだやれると思えばもっといいチームに挑戦することもできます。
仮にチームが経営難か何かでなくなっても、実力があればすぐ他のチームにスカウトされます。
仕事も同じです。自分の腕を信じて働くことが大切です。会社の運命と自分の人生をともにしてはいけません。例えこの世が滅びようとも生きていける、それくらいのものを持っていないといけないし、持とうとしなければなりません。
さいごに
ほんとにこれは自分への戒めでもあります…
photo credit: Silvia Viñuales via photopin cc
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