なべこう(@fukujion)です。
みなさんは自転車の情報、何で得てますか?おそらく、自転車雑誌やインターネットが多いんじゃないでしょうか。私も毎月とはいかないまでも、気になる特集が載っている号は買っています。購入を検討しているパーツの使い心地がレビューされたブログ記事も読みます。
ですが、まだロードバイクに乗り慣れていない方は、自転車雑誌よりも「ひとつ上のロードバイクプロ技メソッド」を読むことを強くおすすめします。
確かに自転車雑誌にもためになる情報がたくさん載っています。が、どうしても全ページ初心者向けにするわけにはいきません。乗り始めたばかりの人が必要な情報を得るのに、1年間買い続けてやっと集まった、だったら遅いです。それまでに事故ってるかもしれません。自転車が嫌になってるかもしれません。
何事にも「流行」と「不易」があります。「流行」は日々移り変わっていくもの。「不易」は何年経っても絶対に変わることのないもの。自転車雑誌が「流行」を把握するのに最適だとしたら、これから紹介する「プロ技メソッド」は「不易」を知るのに最適な一冊です。
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「弱虫」でも強くなる!ひとつ上のロードバイクプロ技メソッド
著者は、関西のロードバイクショップ「シルベストサイクル」の統括店長である山崎敏正氏。ボイコットのため出場できなかったものの、モスクワ五輪代表に選ばれるほどの実力の持ち主。還暦を過ぎた今でも現役でレースに出場し、若い選手を抑えて入賞するほど。そして何より、40年以上も事故を起こしたことがない。
実力、経験ともに充分に備わった著者の言うことだから、話を聞いて損なことはありません。やっぱり誰でも怪我なく安全に楽しく自転車に乗りたいですものね。
それでは、目次に沿ってどんな話が載っているのか、紹介していきます。
序章:美術を愛する文化系が五輪代表に
この章は、著者の自己紹介的な役割です。ロードバイクとの出会いから、どんな経歴を経て今に至るかが書かれています。
今でこそバリバリのロード乗りですが、ロードバイクに出会うまでは美術館巡りが大好きな文化系青年だったそう。運動ができるから自転車も速くなるわけではない、逆に言うと、運動が苦手な人でも自転車はすごく楽しめるよというメッセージが込められています。
第1章:生涯現役サイクリスト宣言
「ロードバイク始めてみたい。でも、もう年だからなぁ」と考えている人は案外多いんじゃないでしょうか。あと体力に自信がないとか。
ここでは「決してそんなことはありませんよ」ということがデータとともに示されています。中でも「加齢とともにパフォーマンスが落ちるのではなく、パフォーマンスの"限界値"が下がる」という話はなるほどその通りだなぁと納得しました。「50代にして"自分史上最強"も可能」だとも。
また、自転車の魅力は乗るだけではありません。気に入った1台を手に入れたら、その愛車を愛でながら酒を舐めるのも楽しみのひとつです。
カスタマイズも楽しいですね。
第2章:失敗しないロードバイク購入テクニック
まさに章題の通りです。ロードバイク購入を考えている人は必読です。1台目を勢いで買ってしまったから2台目は真剣に選びたいという方にもおすすめです。
大切なことは「どこで買うか」と「何をしたいか」です。
あと、ロードバイクにいくらまで出せるかということも重要です。初めてなら相場もわかりません。ここでは価格帯別に自転車の特徴をまとめてくれてあるので参考になります。
そして、ロードを手に入れたらまずやってみたいローコストハイリターンなパーツアップグレードも紹介されています。
第3章:格好よく乗るためのベストセッティング
ロードバイクというのは、ミリ単位でサドルやハンドルの位置を調整します。これは、体を傷めずに楽に遠くまで走るためです。自分にあった位置に調整することを「ポジション出し」と言いますが、初めての場合は、買ったお店でやってもらうのが鉄則です。
それでしばらく乗ってみて、どこか体に痛みや違和感が出てくれば再度お店に相談に行き、見直してもらうという微調整を繰り返していきます。
しかし、私がそうなのですが、お店がかなり遠いところにあってそう何度も足を運べないケースがあります。そういうときのために、ある程度自分で調整するための方法が説明されています。
あと、ウェアなど身だしなみの話も少し載っています。男性のみなさん!すね毛は剃りましょうw
第4章:メカオンチでも大丈夫!手間なし簡単メンテナンス
メカいじりが好きでもそうでなくても、ロードバイクを安全に楽しむためにメンテナンスは必須です。大切な命を預ける乗り物ですから。メカいじりがあまり得意ではない方も、ここで紹介されている方法ならきっとできるでしょう。
それから、ロングライドのときに持っていきたい基本装備はとても参考になります。はじめのうちは何を持っていけばいいかわかりませんからね。
第5章:「痛み」「疲れ」を乗り越える
ロードバイクにつきものなのが「痛み」と「疲れ」。おそらく大半の人はおしりの痛みに悩むことになるでしょう。
前々章でポジションが完璧だとしたら問題はサドル。自分の股間にあったサドルを探し求めることになります。俗に言う「サドル沼」ですね。ここでは中央にくぼみがある「逆かまぼこ形」のサドルが勧められています。
そのほかにも、首が痛いならこれを疑え、ひざならここ、と、症状別にチェックすべきことが書かれています。
あと、痛みも疲れも解消する「丹田曲げ」という乗車フォームもぜひ習得したいところ。
第6章:ロードバイクの安全鉄則
ロードバイクは、スピードの出る乗り物ですから、一歩間違えると大きな事故につながります。車は免許を取らないと乗れませんが、自転車は誰でも公道を走ることができる。だからと言って、何も知らないまま走るのはとっても危険。必要最低限のマナー、ルールは身につけておきましょう。
まず覚えておきたいのがハンドサイン。車でいうウィンカーやブレーキランプなどを手で表します。
それから、複数人で走るときにも技術が必要です。ただ連なって走るだけでは、車の邪魔になったり、事故に巻き込まれたりします。
さらに著者は、速く走ることよりも「下れる」「曲がれる」「止まれる」ことが重要だと言っています。坂道を下ったりカーブを曲がったり止まったり、自転車に乗れるなら当然できるこれらの動作も、少し意識するだけで安全にできるようになります。
第7章:ゆっくり走って強くなる
弱虫ペダルなんかからロードバイクの世界に入った人は、ついついストイックになりがち。でもそんな厳しくせず、おいしいものを食べに行ったり、きれいな景色を見たり、ゆったりのんびり楽しめたらいいですね。
実力差のある人とでも一緒に楽しめるコツなんてのもあります。
第8章:弱虫でも強くなる!山崎式トレーニング
ゆったり自分のペースで走れれば充分なのですが、より速く、より遠く走りたくなるのが人間の性。そりゃあいい自転車買ったら前よりも遠くへ走りたくなりますよね。
私がお世話になっている自転車屋さんいわく「1日に30分でもいいから毎日乗った方がいい。朝早起きでもして。その方が自転車に合った筋肉がつくから」と。それはもうまったくその通りなんですが、会社勤めなどしていると、どうしても週末ライダーになってしまうものです。
でも大丈夫。ここでは週末しか乗れる時間がなかったり、まとまった時間をあまり取れなかったりな人でも、効果的にパワーアップできるアイデアが紹介されています。「タバタ・プロトコル」は、短時間で絶大な効果を上げられる練習法。さらに「山崎式1週間プログラム」で自転車に乗れない日のトレーニングもバッチリ。
あと、できればその日の疲れは翌日に残したくないですよね?体がだる重なのに仕事行くとか最悪です。私はここで勧められていた「金グリ」をロングライド後に飲むようにしたのですが、翌日すっきり目覚められるようになりました。おすすめです。
終わり
とても長くなってしまった…
これはほんの一部。もっと内容は濃いです。でもこれらは、どんな自転車に乗ってようがどこを走ろうが全部大切なことばかり。こんな情報を月刊雑誌で集めようとするとどれだけかかることか。
ちょいちょいおすすめグッズも出てくるので、買い替えたいけど何がいいのかわからないという方には、とても参考になると思います。
事故をすることなく安全に乗り、仕事とのバランスを考えながら趣味として楽しみ、自転車が人生を豊かにしてくれるものにするために、必読の書だと思っています。
さぁ!あなたも行っても行っても終わりのないロードバイクの沼旅に出かけよう!
以上、なべこう(@fukujion)がお送りしました!