子供と一緒にNHKの教育番組「おかあさんといっしょ」を観るようになったのが、ちょうど歌のおねえさんや着ぐるみキャラクターの交代時期だった。先代の「ポコポッテイト」は数回観たのみだったので、とりあえずムテ吉の家庭環境がややこしいことくらいしかわからなかった。ご両親迎えにきてくれてよかったね。
入れ替わりに始まった着ぐるみ劇場が「ガラピコぷ〜」。キャラクター発表があった時点で、日本中のお母さんをはじめ、お父さんおじいちゃんおばあちゃん、挙げ句の果てには子供すらいないオタクまでもが悲鳴をあげる大惨事になったのは記憶に新しい。
しかしまぁ嘆いたところでオリンピックのエンブレムのようにやり直し!って訳にはいかないので、ある意味変な注目を集めたままスタートしたのであった。かく言うぼくも毎日朝夕2回チェックするヘビーウォッチャーであるが、見た目だけではなく、キャラ設定もズバ抜けていた。
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チョロミー
まず登場したのが「チョロミー」である。彼女はロックマンうさぎをモチーフにしたキャラだそうだ。
「キュートなハリケーンウサギ」という異名を持つ彼女は、初登場から1週間経った今までまったく勢力を落とすことなくその猛威をふるっている。
「風を起こす能力」でご神木の木の実を落とす。お説教途中に逃走。友達のあまり触れてほしくないところにずばっと切り込む。電池の入れ方が雑。水しか入れちゃだめなところにリンゴを入れる。触れるなと言われていた精密機械に触れて壊す…
だいぶいろんなことをやらかしてる。これ、人間だったら絶対くつ下はいてないな。
ガラピコ
おそらくおかあさんといっしょの着ぐるみの中で、ロボットが出てくるのは初めてなんじゃないか。
劇のタイトルが「ガラピコぷ〜」なので、今回のメインモンスターキャラなのかも。惑星探査ロボットなのだが、宇宙船で事故ってしまい、本人の記憶(データ)もバグってしまった。公式の「他人の気持ちがさっぱり理解できず、ズレた発言や行動をする」という説明に胸が高鳴った。今のところ、チョロミーの暴走の被害者的な立場なので、まださっぱり理解できてないと思ったところはない。ただ、みんなで虹を見たシーンで、上から1つずつ色を言っていたのには、背筋がぞぞぞーっとなった。
ちなみに、近い距離の移動はツイストを多用するのでいちいちつっこみたくなる。
ムームー
3人の中でいちばんまともなキャラ。
「ひよこの心(ハート)をもつオオカミ」というだけあって、のび太くん感は隠せない。しかし、2人だけなら絶対うまくいかないチョロミーとガラピコの間を取り持つなど、良い働きをする。
この間はちょっとこけただけでえんえん泣きだして、ひよこな一面をのぞかせていた。まぁでもそんなのは他の2人に比べたらかわいい方だ。問題は、鍋つかみで作った人形と会話するくせがいったいどれくらい出るか、だ。
どうしてこういう設定になったのか
ポコポッテイトのメンバーを思い浮かべると、彼らはそれぞれ1人でも生きていけるなぁと思った。ただただ彼らの楽しい1日をのぞかせてもらっているという感覚。着ぐるみなんだからそれでいい。
一方で「ガラピコぷ〜」は、かなり心や性格に踏み込んだ仕上がりになっている。脚本家は『「大人から見たらちょっと問題があるような子であっても、大丈夫だよ」というようなメッセージを伝えてあげられるような番組に育てていけたらなと思っています』と話している。なるほど。これで納得がいった。あえて(言い方は悪いけど)特殊な性格を持ったキャラ設定にして「こんな子もいるんだよ」「どんな子でもオッケーなんだよ」というメッセージを伝えたかったんだな。ますますこれからが楽しみになってきた。
個人的な希望としては、ガラピコは実はスパイ活動で送り込まれたロボットで、本国から帰ってくるように言われるが、チョロミーとムームーに情が移ってしまい葛藤する。そこでチョロミーがガラピコのボスを破壊して晴れてガラピコは自由になるという展開を期待している。
[参考]新人形劇は「ガラピコぷ~」♢おかあさんといっしょ |NHK_PR|NHKオンライン