言葉ってすごいなと感心しているなべこう(@fukujion)です。
1歳を過ぎた息子は、少しずつですが何か意味ありげな言葉を発するようになりました。と言っても、大人が聞いてすぐわかるようなものではなく、初見ではさっぱりです。喃語というやつかな。
これは、息子に早く言葉を発してほしい夫婦が、息子の言葉を解読したり、時には無理矢理こじつけたりしながら、その言葉の由来を探す壮大な旅の記録です。
※憑依されたとか宇宙からのメッセージのような不思議な言葉を話すとかそういうオカルティな話ではありません。ガンツファンのみなさんすんません。
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「くっく」
これは教えた、といった方が適切かもしれません。膝の上に座らせて靴をはかせるときに「くっくはくでー」といい続けていたら言うようになりました。「お父ちゃん」「お母ちゃん」はいくら教えてもかすりもしないのに、これはすぐ言えるようになりました。
今までいろいろ声を出していたけれど、「く」という音は出したことがなかったので、素直に成長を感じました。文字では伝わりにくいですが、最初は「か」と「く」を混ぜたような音だったのが、日に日に「く」に近づいていきました。こうやって発音できるようになるのかーと思ったのと同時に、英語仏語などが発音できなくなっていくのかーとも思いました。
今では膝にのせるとそれだけで「くっく」と言うのでかわいいです。「ううん、お風呂やでー」
「どど」
次によく言うようになったのは、この「どど」でしょうか。これはすぐに分かりました。積み木や抜き取ったティッシュなどを私たちにくれるときに言います。腕を伸ばし「どど」。きっと「どうぞ」と言っているのでしょう。
「あ、えー」
こちらは解読に少し時間がかかりました。
積み木やら型はめで機嫌よく遊んでいると、突然「あ、えー」と言い出します。それも連続で「あ、えー。あ、えー。あ、えー」と。大人がスピーチで話し始める「あ、えーっと」とは違います。「あ」にアクセントがついていて、少し高めの音です。
散歩していても、公園で遊んでいても、突然いいだすし「どど」のときのように行動と一致していない。さすがに頭を悩ませました。
それでも何とか共通点を探そうと考えていると、どうやら外に出たときに言うことが多い。さらに息子は信号機や車が好きで、公園に行ってもすぐ道路に出たがる。危ないのでだっこして車を見ていると「あ、えー」が出る。
なんだなんだ?
あるとき、家でテレビを見ていました。天気予報だったか、街の様子が映し出されました。それを横目でちらっと見た息子がまた「あ、えー」。このときの私は冴えていました。「あ、えーのこの音程、もしかして!」
「交差点」「信号機」「あ、えー」…そう、ここから導き出されるのは、信号の色の変化を音で知らせるあれだ!鳥の鳴き声じゃない方の!たぶん大人に音を再現してと言ったら「ピッ、ポー」って言うんじゃないかな。
1人納得。
「ぶぶぶぶ」
言葉、というより音ですが、唇を口の中に引っ込めてつぐみ、少しずつ空気を出して「ぶぶぶぶ」とやってます。「ぶ」と発音するのではなく、そういう音を出している。
すぐにわかりました。息子は信号機や車が好きといいましたが、大きなトラックやダンプカーが通ると「ぶぶぶぶぶ」とやるのです。あの低いエンジン音を真似しているのでしょう。天才か。
かしこいなと思ったのは家での話で、いろんな乗り物が乗った絵本を読んでいる時。めくって最初がバスなのですが、これを見て「ぶぶぶぶぶ」とやります。よくわかってるな。
ま、電車でも「ぶぶぶぶぶ」ですが。
「じーーちゃっ」
おじいちゃんではありません。息子は未だに誰のことも呼びません。ですから私たち夫婦はもちろん、それぞれの祖父母までいちばんに呼んでもらう座を狙っています。そしてこの「じーーちゃっ」はじーちゃんではないことをはっきりと申し上げておきます。
これは、ジッパーを開け閉めするときの音でした。たまに見ている教育番組に「うーーーチャック!」と連呼する歌があります。それを見て覚えたのでしょう。チャックを見つけると「じーー(歌の通りうーではないけどある意味正しい)チャッ!」とやっています。チャックのついた服を着ていると、飛びついてきて「じーーーチャッ!」とやってきます。何度アゴ肉をはさまれそうになったか。
「こてこてこてこて」
まったく意味がわかりません。
わからぬまま、言わなくなりました。
「かくん」
「あ、えー」が言葉の6割を占めていたのですが、いつの間にか「かくん」に取って代わっていました。積み木やブロックで楽しそうに遊んでいるときに「かくんかくんかくんかくん」とすごい速さで連呼しています。
いろいろ考えました。「あ、えー」の例から、きっととこかで聞いた何かなのだろう、と。生活から生み出される音を丁寧に思い出しました。よく見るテレビ番組の中も探しました。でも、見つからない。答えはすぐそこにあるはずなのに、時間だけがいたずらに過ぎていきました。
妻は「か」から始まるから「母ちゃん」って意味だ、と言い出すくらい疲れてきています。早くみつけなければ。焦れば焦るほど答えは遠のきます。
もう考えることを10割あきらめていた頃、突然答えがふってきました。晴天の霹靂でした。息子が、アンパンマンの、型はめやらルーピングやらスマホもどきやら、これ一台でなんでもできちゃうってくらい万能なおもちゃで遊んでいたときです。
それにはインターホンのおもちゃがついていて、呼び鈴を押すとアンパンマンが「はーい」と返事してくれます。
聞いた瞬間2人同時に「これかーーー!」と叫びました。アハ体験でしたよ。インターホンと言えばもう「ピンポン」と思い込んでいます。電子レンジが「チン」であるように。これは確かに「かくん」ですわ。恐れ入った。
「じょだ」
現在いちばん頭を悩ませているのが、この「じょだ」。電子レンジやオーブントースターが「チン」となると、低〜い声で「じょだ」と言います。ときどき「ょ」が大きくなって「じよだ」になります。そのときはよりいっそう声が低いです。
初めはレンジの音かと思いましたが、「チン」とか「ピー」とかどちらも高い音なので違うかなーと。まったくわかりません。まだまだ旅は続きそうです。
今は息子が早く言葉を獲得して、お母さんのお腹の中の記憶を聞くことが楽しみです。
以上、なべこう(@fukujion)がお送りしました!