育休男児

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思ったこと

コンビニ店員にポイントカードを片手で返されて思ったこと

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たまーに寄るコンビニの店員は、ポイントカードを片手で返してくる。

私はこれに嫌悪感を覚える。

「お客様は神様」とまでは言わないけど、丁寧に接するべきと思っている。これはお互いにね。敬語を使うし、忙しそうなときには声をかけるのを待つ。

「両手で渡してください」と言うわけにもいかない。それこそクレーマー、痛客だ。

しかし、あるとき、考えを改めることがあった。

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私の頭の中には「客には丁寧に接するべき」という考えがある。そして、それを形に表すのが「敬語」であったり、「物を渡すときは両手」であったりする。

しかし、あまりにも片手で渡す店員が多いので、これはもしや両手で渡すことが丁寧を意味しなくなったのか?と思い始めた。

おそらくこれを読んでる人の中にも「なんで片手がダメなの?」と思っている人もいるだろう。理解できない方は、店員が顔見知りでもないのに「肉まんにからしつける?袋分けて入れる?」とタメ口できたときを想像してもらいたい。え、となるだろう。私にはそれくらいの感覚なのである。

話を戻す。よくよく考えてみると、私の中にある「〜すべき」というのは、私の勝手な「期待」だ。きっと必ずこうするだろうという、して当たり前だという予想がある。

極端な話だが、場所を海外に移してみる。例えばアメリカのコンビニで、同じような扱いを受けても、たぶん私は怒らない。そういうもんだという気持ちが心のどこかにある。始終無言だったり(これはけっこうある)、釣銭を雑に返されたりしてもそんなに気にしない。期待していないからだ。

コンビニ店員からしてみると、勝手に期待され、勝手に裏切ったと思われ、勝手にイヤな奴だと思われる。とても理不尽な話だ。でもこういうことはけっこうある。

そう考えると、ポイントカードを片手で返された私の怒りは、とっても理不尽な怒りになってくる。店員に悪気は一切ない。むしろ、片手で返すと同時に、もう片方の手でお釣りを準備し始めているかもしれない。心の中で暴言を吐いた分、心の中で謝っておいた。

どうしてこんなことを考えたかというと、中島義道著『ひとを〈嫌う〉ということ (角川文庫)』を読んだからだ。この本は「嫌い」という感情も「好き」と同じくらい大切にしましょうよという内容である。とにかく人を嫌いすぎて自分って大丈夫なんだろうかと心配になる人や、周りから嫌われないように気をつかいすぎて疲れてしまう人にぜひ読んでもらいたい。

本書の中に「『嫌い』の八つの原因」として、人を嫌いになるプロセスが分析されている。その中でも、いちばんに挙げられているのが「相手が自分の期待に応えてくれないこと」である。例を引用してみる。

 なぜなら、妻子の脳には「夫(父)とは仕事をし、家庭を守り、妻子に愛を注ぎ、いざというときには自分を犠牲にしても妻子を救う」ことが当然であるという観念がインプットされているからです。これは大層高度の期待ですから、現実の家庭生活においてたえまなく崩れる仕組みになっている。
 しかも、夫(父)はこれらすべてを満たさなければ落第なのですから、たとえ仕事で成功し豊かな生活を享受し、浮気の一つもしなくても、強盗が入ったときにひとり逃げだしたらもう終わり。まったく得点はゼロに下がる。あるいは、身を挺して妻子を守り、疲れて帰ってきても厭な顔ひとつせずに妻の苦労話を聞いてやり子供の相談相手になってやっても、職を失って放り出されたらもう終わり。「明日からどう生活するの!いったい、どうしてくれるの!」と追及されるのです。

これを読んだとき、まっさきに思い浮かんだのが、先の「ポイントカード」の話だ。私は無意識のうちに相手に期待をかけて、悪者に仕立て上げていた。

著者の中島義道氏は、どうして「嫌い」という感情を掘り下げていったのか。

じつは「嫌い」の原因を探ることには絶大なプラスの効果があるからです。自分の勝手さ、自分の理不尽さ、自分の盲目さが見えるようになる。

私が、どうしてあの店員のことが嫌いなのかという原因を探らなければ、店員は私の中で「接客態度の悪いやつ」になって終わっていた。しかし、掘り下げることで、原因は私自身の中にあることに気づけた。原因がきちんと突き止められれば、不思議と心穏やかになる。反対に、ひとに自分がものすごく嫌われているとき、どうしてあの人は私を嫌っているのだろうと探れば、納得し、変に嫌い返して関係が悪化することもなくなる。

ひとを嫌うこと、ひとに嫌われることは、人生の中でできるだけ避けたいテーマである。しかし、あえて「嫌い」に向き合うことで、人生を豊かにし、心穏やかに過ごすことができる。あなたがもし、ひとを嫌うということで悩んでいるのなら、ぜひとも読んでみてもらいたい。(著者の中島氏が「嫌い」について考えるきっかけになったエピソード、とてもかわいそうだけどとても笑えてしまった)

以上、なべこう(@fukujion)がお送りしました!


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